とはいえ、賃金表が未整備、不十分な企業もありますので、そのような場合は、賃金表を整備することから賃金交渉をはじめなければなりません。
◆「個別賃金」
賃金表に書かれる労働力の銘柄ごとの賃金を、銘柄個別の賃金=個別賃金といいます。 日建協個別賃金とは、わたしたちのあるべき賃金を銘柄別に示したものです。日建協個別賃金は、ある年齢での支出を基準にしていますので、銘柄別とは年齢別ということになります。
◆「一時金」と「賞与(ボーナス)」
わたしたちにとって、「一時金」と「賞与」という言葉は、「賃金」と「給料」よりも明確に区別しなければなりません。なぜならば、「一時金」と「賞与」はまったく意味が違うからです。
まず賞与ですが、賞与は業績などに応じて与えられる特別手当です。(賃金の3つの性格で言うところの生産性によるものです。)
次に一時金ですが、これは生活のための出費がかさむ夏と冬に生活保障のために支払われる、生活保障一時金です。(賃金の3つの性格で言うところの生計費ということです。)
生計費である一時金は、本来、毎月の給料で支払われるほうが、わたしたちにとっては、安定した生活を送るために有利となりますが、慣例的に夏と冬の年2回支払われることが多くなっています。(より安定した生活のために、一時金から月次賃金へのシフトを交渉している加盟組合もあります。)
理想的には、「一時金」と「賞与」の両方を受け取りたいところです。
TOPへ
◆「ベア」と「定昇」
ベア(ベース・アップの略)とは、賃金の基本給部分(ベース)を改定する(上げる)ことです。つまり、賃金表にある銘柄ごとの値段を見直し、賃金表を書き換えることになります。賃金表の書き換えは、消費者物価などの経済情勢や、世間相場、賃金制度の見直しなどの要因で実施されます。
定昇(定期昇給の略)とは、ベアとは違い、賃金表はそのままで、賃金表上を移動することを指します。この移動は制度として行われることが必要です。わたしたちは1年仕事をすることで、1年分仕事の熟練度があがります。よってわたしたち一人ひとりは、1年経過するごとにひとつ上の銘柄へと移っていきます。銘柄が変われば、賃金もそれにあわせて変わるということです。
|