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組合員の皆さん、Compass11月号(Vol.783参照)時短特集提言書「民間建築工事の『4週8休を含む不稼働日を考慮した工期設定』の実現にむけて」を紹介しましたが、今回は実際にどのような提言活動を行っているかを紹介します。
この提言は建築作業所の労働環境改善にむけたものであり、外勤技術者の所定外労働時間のうち4割以上を占める休日の労働を解消し、厚生労働省が定義する過重労働にならない所定外労働時間45時間/月以下にすることをめざしています。

下の表は、作業所勤務者の所定外労働時間の早見表です。毎日の終業時刻と休日取得状況から、月あたりの所定外労働時間の関係を示しています。皆さんの一月あたりの所定外労働時間をチェックしてみてください。
たとえば4週間で6日(4週6休)休めている人で、平均終業時刻が19:00の場合は、一月あたりおよそ60時間の所定外労働時間になります。

いかがですか? 作業所勤務の方は80時間/月以上の所定外労働時間となっていませんか?
日建協の時短アンケート(2008年11月)によると、外勤技術職の所定外労働時間平均は84.9時間/月であり、組合員全体でも半数が80時間/月以上となっています。健康障害を防止するうえでも、早急に60時間/月以下にしなくてはなりません。

日建協では所定外労働時間の組合員平均の目標を、健康障害のリスクが低い45時間以下としています。作業終了後の業務時間を考えると、現状では早く帰れたとしても平均終業時刻は19:00くらいになるでしょうか。そうすると4週8休にしないと45時間/月以下にすることは難しいことがわかりますよね。では、どうすれば4週8休にできるのでしょうか。

民間建築工事では約8割が受注時に休日条件が明示されていません。そして約9割の作業所が4週4休以下の短い工期設定であり、休日返上を前提とした工期設定となっています。そもそも、契約段階で休日等が考慮された工期設定がされていないことが原因です。

しかし、公共工事の場合はどうでしょう。工期設定は一般的に4週8休の工期設定となっているのです。国土交通省は公共工事において、
建設産業における住宅・社会資本整備の円滑な推進及び建設産業の健全な発展という観点から労働時間短縮にむけた支援措置として「4週8休を含む不稼働日を考慮した工期設定と契約条件への明示」を通達しています。

この観点は民間建築工事においても同様にあてはめられるべきであり、産業に関わる関係者(国土交通省、厚生労働省、発注者、業界団体、企業経営者)が一体となって取り組む必要性を日建協は訴えているのです。

公共工事の工期設定の考え方

「平成9年度以降の直轄工事の工期設定及び作業不能日の条件明示について」(平成9年5月21日/建設省技調発第97号)

1.工期設定について
(1)工期設定については、4週8休(完全週休2日制)対応とする。
(2)週所定労働時間40時間制に対応した適正な積算を実施する。
2.作業不能日の条件明示について
 降水(降雨・降雪)等による作業不能日数を特記仕様書に条件明示するものとする。
 特記仕様書への記載例
 工期は、雨天・休日等(138)*日を見込み、契約の翌日から(365)*日間とする。なお、休日等
 には日曜日・祝日、夏季休暇及び年末年始休暇の他、作業期間内の全土曜日を含んでいる。
 注)*日は、具体的な日数を記載すること。

(↑イラストを拡大する)

 関係者の立場の違いで反応も変わります。でも、建設産業の健全な発展が必要だという点では異論はないようです。では、どうしてできないのでしょうか。
 やはり関係者が声を合わせることが必要で、そのためには発注者の理解促進にむけた意見発信や、休日や不稼働日を考慮した受発注のしくみづくりが必要です。

ルールづくり
・契約や法律などに休日条件を盛り込み、作業所における週休2日制に取り組む企業も、公平な競争ができ
 るしくみづくりの必要性を訴えています。
理解促進にむけた意見発信
・民間発注者に対する啓蒙や意見交換を行っています。
・発注者側労働組合をつうじて、他産業の発注担当者との意見交換を行っています。

忙しくて休めないではなく、休むために職場でどう協力しあえば良いかを個々人が考えてみましょう。次に、作業所において工程表を作成する際に4週8休で工程を組み、スケジュールが納まらない場合のみ土曜を作業日に組み入れるという考え方に切り替えてはどうでしょうか。

どうしても4週8休にできない場合でも、上記の早見表を参考に所定外労働時間を管理して、休める工程を考えてみませんか。工夫して休めた好事例などがあれば加盟組合や日建協までご連絡ください。
提言書の詳細については、こちらをご覧下さい。


Compass Vol.784 一括PDF(15.6MB)

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