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加盟組合の組合員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。今年一年が皆さまにとって、また私たちの働く建設産業にとって良い年となることを心よりお祈り申し上げます。

旧年中は、東日本大震災もあり、人と人との絆の大切さを感じた一年でした。日建協では未曾有の事態への対応を進めるなか社会貢献活動を展開し、皆さまにご協力いただけましたこと、あらためて御礼申し上げます。

2012年、新たな年を迎えるにあたり、建設産業が抱える課題に

日建協 議長
山田 栄治

ついて、業界団体である社団法人日本建設業連合会(日建連)の福田常務執行役と対談を行いました。労使間の相互の信頼を構築しながら、産業の発展に取り組んでいきましょう。

本年も昨年同様に、日建協活動へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

福田:

日建連受注実績調査結果では前年比大幅増となっており、一見受注が増えているように見えるが、実際には昨年が過去最低レベルだったことが要因で、決して今期の受注水準が過去と比べ高い訳ではありません。建設業を取り巻く環境は依然として厳しく、足踏み状態が続いていると思います。その理由の一つは円高です。製造業の生産拠点が海外に移っていますが、円高対策や法人税の引き下げにより、国内産業を活性化することが急務です。また、エネルギー問題に早急に対応しないといけない。現在の日本経済は力強さがまったく感じられない。円高対策については色々考えはあると思うが、この経済情勢で生き残るために、円高に耐えうる地盤を作っていくことが大事だと思います。

山田: 震災復興の現状についてお聞かせください。

福田: 震災復興については、第3次補正予算が成立し、がれき処理等の復興関連の案件も希望が持てます。建設業界は、本業で取り上げられることは少ないが、災害時には非常に頼りにされます。しかし、本業で頼りにされないと建設産業は廃れていきます。これは社会全体から見て、建設業界の評価が低いからだと感じます。これは私たちのアピールが足りないことも原因の一つです。業界を挙げて、建設産業の必要性をもっと強力にアピールする必要がありますね。

山田: 労使協働で建設産業全体をアピールしていく必要があると思いますね。

福田:

建設会社というのは元来親方がいて成り立っていた歴史があり、社長や副社長などがいれば会社は大丈夫だと思われていました。しかし、災害発生等の有事の際、経営者がいなくなっても会社は業務を継続しなければなりません。そのために日建連はBCPガイドラインを2006年に策定し、このガイドランに沿って各社がBCPマニュアルを作成しています。今回の震災でもマニュアル通り迅速に対応できました。無論これで対策は十分という訳ではなく、今回の経験を活かして、今後発生が予測される大規模自然災害などに備え、対策をさらに強化・充実していくことが重要です。

山田:

震災等の有事だけでなく、日頃から仕事の手順を確立しておくことも大事ですね。人が一人いないから現場や事務処理が廻らないということでは困ります。

福田:

事故や災害が発生した際、所長が不在で、携帯電話が通じなくても、組合員のみなさんが適切に対応できることが大事ですね。

山田:

私たちの働く環境は厳しさを増すばかりです。震災復興による雇用の創出はこれから増えてくると思います。しかし、被災地と離れている地域については、雇用が悪化しています。建設業界の市場規模が小さくなっているため、他産業への転職は難しい。今後、建設産業で働き続けるためには、賃金等の待遇面においても働く気概を持てるだけの賃金水準が必要だと感じています。



福田:

現在は欧米式のスタイルをとっている会社が増えているようで、ひと昔前の建設会社のイメージとはかけ離れている。これはあまり良い傾向でないと感じています。以前は給料が毎年少しずつでも上がり、生活が安定していた。今は、給料が良い人はいいが、そうでない人のことを考えた時、給料が上がらなければ、当然働く意欲がなくなる。難しい問題だが、経営者は社員の働く意欲の向上イコール企業のメリットであると、考え方をシフトした方が良いと思います。

山田:

私たちの働き方は、現場の施工管理を例にとっても和が大切だと思います。過度に行き過ぎた成果主義はこの産業に適していないと思います。やはり働く者の立場として、将来への安心感や未来が見えることが重要です。そして適正な評価でステップアップしていけることが働きがいを感じられる一番の近道ですね。

福田:

若い人が「所長になりたい」と思えることが大事ですね。

山田:

4週8閉所については、日建協のアンケートによると、ほとんど実現できていない結果が続いています。ただ、4週8閉所できている現場も1割あります。私たちは、今後「4週8閉所ができている現場」を好事例として展開できればと考えています。

福田:

これからは働くことと休むこととの「メリハリ」が大事。お金や人員が厳しい現場が多いが、「それでも休むんだ!」という気概があれば休めると思う。事前に計画すれば、その目標に向かっていけると思います。組合が行っている活動は、会社の生産性向上に繋がると考えます。

山田:

時短に関しては、プロセスの検証と働く意欲が重要となると思います。そして好事例を産業全体に水平展開していくことで、時短は実現可能ではないかと思います。日建協が行っている大学生を対象にした出前講座の結果によると、休める環境づくりが一番必要だと大学生も思っています。また、スカイツリーなどの竣工により建設産業の魅力は少しずつですが再認識されています。労働環境の改善が進み、さらに建設産業の魅力を高めていきたいですね。

福田:

厳しい工程の中、休みを多く取れた現場は社長に表彰してもらうような制度ができればいいね(笑)

山田:

そういう好事例があれば水平展開していきたいですね(笑)

福田:

昔は仕事も遊びもレールを敷いてくれるような世話役がいた。最近はどこの会社もめっきりいなくなったようだ。環境が厳しくなったことも原因ですかね。

山田:

最近は「個」を大切にし過ぎる若者が増えて、他人からの干渉を嫌がるようです。組合の中でも「呑ミュニケーション」に誘っても来ない若者も多いですね。和の中の楽しさよりも個人の楽しさを優先してしまう傾向があるようです。ただ自分も含めたミドル層も余裕がなくなっているのも事実ですね。

福田:

世話役も大事ですが、リーダーの存在も必要だと思います。この人が来たら場が引き締まるというような。労働組合の役割がここにあると思います。人と人の繋がりが希薄になり、若い人は群れない。みんなで行動しない。いい意味で群れる場所を作ってあげるのが今後の組合の在り方だと思います。みんなで集まったり、人の話を聞いてあげられるのは組合しかないのではないかと思います。上から目線ではなく、子供と話す時のように同じ目線で話を聞いてあげることで、こころの病気が大きくなる前に摘み取ってあげることができるのではないかと思います。

山田:

まさしく組合だからこそできることだと思います。

福田:

「愛すること」「大事にしあうこと」という当たり前のことが、これからの隠れたキーワードになってくると思います。会社、家族、上司、部下、すべての人を大事に思ったり、思われたりすることで盛り上がってくると思います。

山田:

こころの健康に一番必要なのは、働く環境だと言われています。お互いが助け合い、思いやる気持ちをこれからの活動に活かしていきたいと思います。

福田:

今後も産業を盛り上げるため、お互いに頑張っていきましょう。

山田:

2012年も組合員の労働条件の改善と産業の魅力を高めるために活動を行っていきます。これからもご支援とご協力をよろしくお願いします!


日建連について

日建連 常務執行役 福田 雄一 氏

2011年4月1日、建設業団体としての機能を一層強化・拡充し、建設業の発展に向けた活動をより強力に展開するため、日本建設業団体連合会(旧日建連)、日本土木工業協会(土工協)、建築業協会(建築協)の3団体が合併し、日本建設業連合会(新日建連)として新たな活動を開始しました。
日建連ホームページ http://www.nikkenren.com

1973年、大成建設(株)入社。同社建築営業本部統括営業部長を経て、2011年より現職。主に労働安全衛生・防災を担当され、積極的に建設産業の労働環境向上に取り組まれています。


PDF版はこちらです(12.6MB)


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