今年は、まさに『建設ゼロ年』と言うべき1年になるのではないでしょうか。
建設業界は、昨年、かつてない地殻変動が起きました。1月の改正独禁法の施行を発端にコンプライアンスの徹底、すなわち談合・調整行為からの訣別をしたにもかかわらず、それ以前の反社会的な不祥事にばかりライトがあたり、産業全体に厳しい目が向けられました。その結果として建設産業に、実質的、精神的なダメージを大きく与え、働く組合員一人ひとりは、焦燥感、脱力感を重ねました。また、その訣別以後、業界全体が新たな入札、契約条件に対応する道を模索するなかで、厳しい労働条件を予感させる低価格の受注競争が進み、働く組合員の不安感を更に掻き立てる結果となりました。
一方、景気の回復により民間建築需要は活況を呈していますが、労働力が需要に伴って急に増えるわけでもなく、働く私たちには過酷な労働状況に、さらに重石を載せられているという現実だけが残っています。
このような昨年は、いったい、いかなる1年だったのでしょうか。まさに、建設産業の破壊を重ねたゼロ年は、昨年だったのかもしれません。しかし、すでに本年を迎えた今となっては、建設産業で働く私たちにとって、昨年は新たに変革する建設産業の準備期間、助走期間として必要な1年だったと信じたいと思います。 |
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