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人生の約1/3を占める睡眠。疲労回復に必要なことは分かっていても、私たち働き盛りのサラリーパーソンが十分な睡眠時間を確保するのは容易ではありません。そこで今回は、それを補う睡眠の「質」をあげるためのとっておきの方法をご紹介します。
まず、睡眠のメカニズムを知る
○レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)
寝付くとまず深い眠り=ノンレム睡眠に入り、その後浅い眠り=レム睡眠へと移行していきます。この1セットが約90分です。この浅い眠り=レム睡眠は、起きる準備段階で、この時に起床すると目覚めスッキリ、熟睡感が得られます。起床時間から1.5の倍数で就寝時間を逆算すると、心地よい目覚めが体験できるかも知れません。

○睡眠パターンは人それぞれ
理想的な睡眠時間は7〜8時間といいますが、年齢、性別、生活サイクル、また季節によっても差があります。ちなみに生活実態意識調査によると、日建協加盟組合員の平均は6時間です。大事なのは自分の適正睡眠時間を知ることです。起床時間を変えずに就寝時間を意識的にズラして、快眠度をチェックして自分に合っている時間を探してみてください。

○眠れない原因を知る
不眠の原因は大まかに次の6つに分けられます。@ストレス、A体調不良、B体内時計の乱れ、C日常生活の乱れ、D睡眠環境、E病気や薬物の原因です。この中のどこに問題があるか自己分析できます。


「する」快眠法
○食べて快眠
基本は「和食」です。以下に安眠に効果的な食材を紹介します。
● 玄米、納豆、味噌、醤油「ギャバ」、「大豆ペプチド」で精神安定、
  リラックス効果
● 青背魚(まぐろ、あじ、鮭など) 「ビタミンB12」、「DHA」で体を温
  め、不眠症を改善 
● バナナ、牛乳 「トリプトファン」で鎮痛、催眠、精神安定に効果
  あり。


○体内時計をリセットする「早寝より早起き」
実は、人間の体内時計の周期は25時間です。しかし地球の自転による一日は24時間なので毎日リセットしないと1時間ずつズレが生じてきます。このズレを解消してくれるのが、太陽の光です。人は太陽の光を浴びて、14〜16時間後に「メラトニン」という眠りを誘うホルモンを分泌します。ですから8時に朝日を浴びると、22〜24時位に自然な眠気がきます。早寝も大事ですが、早起きして陽の光を浴びることの方が快眠を保つためには大切です。

○眠りに効くツボ
「湧泉」は有名な「押せば生命の泉湧く」ツボです。自律神経のバランスを整え、心身の疲労をとり、足を温かくするので、深く眠れるようになります。そこを目安に手のひらでさすって下さい。冷え性の方にもおススメです。

○「オーダーメイド枕」で快眠
よく「枕が変わると眠れない」といいますが、自分の好み、体型にピッタリ合った枕があると、眠るのが待ち遠しくなります。最近はピロフィッターという専門家を配置した寝具売場があり、自分に合った枕選びを実際に試しながら楽しめます。私も某デパートで色々な形、素材のものを試してみましたが、気持ちよくなって寝てしまいました。記憶にないのですが、特注の枕が家にあるので、「夢心地」のまま、適当に選んで買って帰ったようです。今は、その「マイ枕」で眠るのが一番の楽しみになっています。

○正しい昼寝法
@12〜15時までに、時間は15〜20分。A椅子に座ったまま寝る。B昼寝の直前にカフェインを含むコーヒーなどを飲む。@Aはそれ以上だと、夜の睡眠に影響します。Bカフェインは摂って30分位で脳に達するので、目覚めの助けになります。また、起きて日光にあたるとスッキリした目覚めに効果があります。



しそジュース
神経の高ぶりにはカルシウム豊富な青じそ、胃腸の働きにはしそ油効果の赤じそを。























【よい枕の条件】
@頚椎(首の骨)のS字カーブが保てること
A頭3個分の幅があること
B沈み込まない程度の柔らかさがあること
C枕に肩、首、頭が乗せられること

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「しない」快眠法
○寝る直前に食事をとらない
目安は3時間前に済ませることです。またタバコやコーヒー等のカフェインを含む飲み物などの刺激物も興奮状態を持続させるため、快眠を阻害します。

○無理に寝ようとしない
不眠のギネス記録は264時間12分です。眠らないように必死で頑張った数字です。どんなに眠れなくてもこれ以上にはまずならないでしょう。ちなみにこの後、14時間45分眠って、正常な状態に戻ったそうです。どうしても寝付けない時は一度床を出て、読書やゆったりした音楽を聴いて、無理やり眠ろうとしないことです。

○パソコン、テレビ、ゲームを 遅くまでしない
パソコンのモニター、テレビ画面は思いのほか明るく、その光刺激がメラトニンの分泌を弱めて、体を覚醒させるサインが目から入ってきます。できれば就寝する3時間前にはモニターのスイッチを切って目を休めましょう。どうしても止められない方には、就寝前にホットタオルなどで目を温めると、血行がよくなり、目の疲れがとれて寝つきがよくなります。

コラム 日本の羊は眠れない
日本の羊は眠れない  寝付けない時、「羊が1匹、羊が2匹・・・」と数えます。外国からのこの言い伝え、実は日本では効果がないこと知っていましたか?
理由@ 英語で羊は「sheep」、眠りは、「sleep」。発音が似ていることで暗示作用がある。
理由A 「sheep」=シープを口で言ってみると、イの繰り返しで、自然と息を吐き出す形になって、リラックスして、心地よい眠りに誘われます。言いづらい「ヒツジガイッピキ・・・」とは大違いです。
 もし今晩寝つけなかったら、外人になったつもりで、「ワンシープ、ツーシープ・・・」と試してみてはいかがですか?








 




今回は誌面の都合で紹介できませんでしたが、他にも入浴法、アロマテラピー、呼吸法など、ご自分でご存知の方法を試してみて下さい。  
一晩寝れば、どんな疲れも回復していた学生の頃を懐かしく思うのは私だけではないでしょう。若い頃の「爆睡」の回復力は加齢とともに弱まってきます。基本は一日一日の疲れをキチンと毎日の睡眠で回復することです。かのシェークスピアは、「睡眠は人生の饗宴における最高の滋養」と言っています。  
最高の環境で眠ることは、健康な心と体のために欠かせません。オフの時間をクオリティの高いものにすれば、オンの時間も自然と活力に満ちたものになるに違いありません。正しい快眠法で疲労回復、健康な毎日を! 夜が来るのが待ち遠しい !?

参考文献 
どうしてわたしは眠れない?
快適睡眠88の即効レシピ

発行:港北出版印刷(株)
快眠関連サイト 快眠推進倶楽部  http://www.kaimin.info/index.html


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