日建協Compass770：2006秋の会社訪問

日建協では、日建協活動の理解促進のため、また建設産業が抱える問題に対する意見交換を行う目的で、加盟組合企業を訪問しています。
今回の訪問では、加盟組合企業の経営者、人事担当者に加えて、土木･建築担当部門長の方にも多く出席いただきました。建設産業の新しいステージにむけ、時短アンケートの結果から明らかになっている労働時間の増加や産業の魅力が減少傾向にあることなど、産業が抱える問題を、どのように取り組み、解消していくかについて意見交換しました。

【訪問概要】
期　間　　2006年9月～10月実施時　間　　各会社　約1時間30分
【議　　題】
1．2006年度執行体制、活動内容の概要説明

2．所定外労働時間の削減にむけて
　①時短アンケート結果について　
　②6月の統一土曜閉所結果について　
　③時短推進活動について
3．ホワイトカラー・イグゼンプションについて
4．発注者などへの提言活動について
　①公共工事における無報酬業務の解消にむけた提言活動
　②民間分譲マンション工事の労働環境改善にむけた提言活動
5．建設産業の魅力化にむけた取り組みについて

●休日取得の環境整備も労使協調で

【日建協】　統一土曜閉所運動については、加盟組合企業における労使一体となった取り組みとして浸透してきており、今年の６月は最高水準の結果となりました。
【会社】 　特に作業所で働く職員がなかなか休みをとれない現状を考えると、統一土曜閉所運動が休むことの大切さを知るきっかけになればと考えている。前回の閉所率についてはまだ満足していないが、運動そのものが職員の間に定着していることは実感している。
【日建協】 　日建協では土曜閉所運動以外の時短推進の施策として、作業所異動時休暇の取得推進に注力したいと考えています。忙しい工期中に休むのは難しくても、竣工してからゆっくりと休むことについては、経営者の皆さんにも賛同してもらえると考えています。
【会社】　当社としても作業所異動時休暇制度は時短の推進に効果的と考えている。異動の辞令やスケジュールを極力早目に決めて伝えてあげるなど、休日取得の環境整備に努めたい。

●日建協にはこれからも大いに頑張ってもらいたい

【日建協】　日建協は、これまでに提言書を用いて行ってきた発注者（国土交通省、地方自治体）労働組合との意見交換の結果などをふまえ、今年度は発注者である国土交通省の各地方整備局に提言活動を行います。
【会社】 　受注者の立場では、なかなか言えないことであるから、日建協には、組合ならばこその立場でぜひ頑張ってもらいたい。期待をしている。
【日建協】 　既に提言を行った、北陸と東北の整備局においては、適正かつ円滑に工事を進めるためのマニュアルを整備していました。これらのマニュアルが適正に運用されれば、私たちの負担が大幅に軽減されると思われます。
【会社】 　マニュアルができても、適正に運用されるにはまだ時間がかかると思われる。日建協には今後も整備局や工事事務所を訪問し、適正な運用がなされるように業界団体とともに、働きかけてもらいたい。

●産業の魅力化にむけて

【日建協】 　日建協では、これまでに訪問した大学を中心に、講義の１コマを利用させてもらい、実際に働いている私たちが直接学生たちへ建設産業の魅力を伝える、出前講座を行います。
【会社】 　実際に働いている人の生の声を伝えることはとても大切であると思う。建設産業の次代を担う人材を確保するためにも、出前講座という取り組みには期待をしている。
【日建協】 　大学から、女子学生は優秀で、かつゼネコンで施工管理を希望しているといわれました。これからは女子学生も積極的に採用していくべきではないでしょうか。
【会社】 　優秀で意欲のある女子学生が多いことは認識している。しかしながら彼女たちに施工管理させるためには、現時点では社内の体制が整っておらず、積極的に採用することを躊躇している。今後は体制を整える必要があると考えている。

◆ 意見交換をおえて…

業務多忙のなか、多くの加盟組合企業が訪問に応じて、日建協活動を理解していただくとともに、建設産業の魅力を取り戻すため、その一歩として、所定外労働時間の削減にむけた意見をいただきました。
建設産業を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、組合員にも年々負担が増加していることは認識されていました。そのような中で、建設産業を魅力あるものにするためには、まず働いている本人たちがそれを実感し、そして新たなるステージを迎えるため、次の世代に伝えていかなければならないとの共通認識を今回の訪問において持つことができました。

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