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日建協と業界団体との意見交換会


建設産業の業界団体ってご存知ですか? みなさんの会社が会員となっている団体であり、建設産業の健全な発展にむけてさまざまな活動を行っています。「労働組合の集まり」と「会社の集まり」という立場の違いはありますが、ともによりよい建設産業を目指し活動しているのでお互いの活動の背景や現状を理解する必要があると考えています。日建協では、今年も5つの団体と意見交換を行いました。
*本文中、各団体の法人格は略しています。

組合員の労働環境について、常に状態を把握して正しい情報を伝えることは
組合として大きな役割である ―日建連(日本建設業団体連合会)
今回、すべての団体と、昨年11月の時短アンケートを基に、私たちの労働時間の現状と課題について、また、日建協が行う提言活動について、意見交換を行いました。
作業所における残業時間は今回の調査でも増加しています。この現状について、日建連からは、単にこの結果を公表するだけではなく、第一線でこのような状態が続くことが企業の魅力やコンプライアンスの面からも問題である、ということを情報として企業経営者に訴え、気づかせる活動を継続してほしい、という意見が出されました。同時に、働いている私たちの側にも労働時間をより自己管理する必要もあるのではないか、という示唆もありました。
他の話題として、今後の労働基準法改正の動きに関連する建設産業での働き方の問題や、今後の日本の社会資本整備に関する日建連の調査活動(左下囲み参照)、社会貢献活動(環境保護運動への取り組み)などについても意見交換しました。


提言活動のなかで日建協が何を主張しようとしているのかがわかった
―日建経(日本建設業経営協会)
日建経との意見交換でも、昨年から今年にかけての一連の提言活動について話し合いました。発注者側労働組合との意見交換会や、不動産会社への訪問といった、日建協の活動内容やその意図について説明することで、日建経へのこの活動の理解が進みました。
日建経では公共工事品確法に関して、「品確法の適正な運用に係る具体的提言」を国土交通省に昨年提出しており、また、会員企業相互で人材活用を図るための品確エキスパート制度を提唱し運用しています。品確法の動向については、日建協でもCompassで連載を行うなど、今後の労働環境を取り巻く課題の1つとして捉えており、お互いの現状認識などについても意見交換しました。


建設業は特に人が大切であり、企業が人材を大切にするように処遇改善を強く要望してもらいたい
―全建(全国建設業協会)
全建との意見交換は2年ぶりに行いました。 全建は各都道府県の建設業協会を通して数多くの建設会社が会員となっています。労働時間の現状や提言活動に関する意見交換では、持参した労働時間に関するデータへのふみこんだ質問など、企業規模や業種、地域の違いに関する意見が出されました。
建設業に関わる人たちが全般的に技術力が低下していること、あるいは、建設業への社会からの様々な要望が増えているなど、建設業を取り巻く環境が大きく変わるなか、全建からは、建設業に携わる人の労働環境が少しでもよくなるように、日建協に取り組んでほしい、という期待の声がありました。


見学会など、今後ともお互い協力して活動を続け、建設産業を魅力ある産業にしていきたい
―土工協(日本土木工業協会)
土工協とは、建設産業の魅力化と広報活動についても意見交換を行いました。土工協では、社会資本整備に携わる建設産業への市民からの理解を進めるために「100万人の市民現場見学会」を数年前から実施していますが、今年から防災をテーマにした形にリメイクすることになっています。日建協では労働組合の繋がりを活かして教職員組合などに参加の呼びかけを行っていますが、建設産業が理解され魅力ある産業となるよう、引き続き協力していくことを確認しました。
また、公共工事に関する日建協の提言活動について、活動で得られた発注者側の意見に対する質問や、提言活動の今後の進め方についての意見も出されました。


日建協には、時短等の活動を積極的に推進して建設業全体の魅力を上げてもらいたい
―建築協(建築業協会)
この意見交換会以外にも各団体と日建協の間には交流があります。例えば、6月と11月の統一土曜閉所運動に際しては、広報などの協力要請を行っています。
建築協は、ここ数回連続して、日建協の要請を受けて、統一土曜閉所を理事会で紹介していただいています。意見交換では11月の統一土曜閉所の結果報告とともに行なった、今後の統一土曜閉所に関する引き続きの協力依頼に対し、建築協も了解されました。
また、民間分譲マンション工事に関する日建協の提言活動についての評価、あるいは、建築協が継続して取り組んでいる、資格の分野別化と継続能力開発(CPD)の導入を柱とした建築技術者の資格制度改正への動きについても、意見交換しました。


日建連・土工協 欧米調査パンフレット
『世界は今、日本の今 −社会資本のみらいを世界の視点で考える』
近年、財政の圧迫や社会保障費の増大等により、わが国の公共投資をめぐる環境は非常に厳しい状況にあります。国の公共事業費は1990年度並の水準となりましたが、財務省では更なる削減案も検討されています。問題は、こうした削減が公共投資のGDP比率などの数値上の議論に終始し、公共投資等により整備される社会資本の視点から、なかなか語られていないことです。
こうした状況下、今後の日本の政策形成に資するため、日建連・土工協は共同で欧米に調査団を派遣し、欧米各国が現在進めている社会資本整備の状況やその考え方を調査するとともに、それらと対比させる形で日本の現状をとりまとめました。調査では、欧米各国が明確な目的を持ち、社会資本整備に戦略的に取り組んでいる姿が明らかになりました。パンフレットはホームページ上で公開しています。(A4版カラー23頁) 日建連  土工協


〔パンフレット概要〕
PART1 国際競争力を高める
@長期計画に基づく戦略的な取組み ・・・ アメリカ SAFETEA-LU 他
A地域をひとつに結ぶ交通ネットワーク ・・・ EU TEN-T
B地理的条件を活かして物流競争を勝ち抜く・・・ オランダ ロッテルダム港 他

PART2 時代の要請に応える
@環境と経済効率を両立させた大都市の基幹道路整備 ・・・ フランス A86 他
A増加する維持更新への備え ・・・ ドイツ アウトバーン維持更新 他
B安全安心を支える国づくり・まちづくり ・・・ スウェーデン 全公共交通機関の  バリアフリー化 他

PART3 実現に向けて工夫する
@財政再建下での公共投資 ・・・ イタリア 公共投資抑制の弊害 他
A社会資本を育てるための財源 ・・・ カナダ インフラ省新設と財源多様化 他
B民意を反映させるための工夫 ・・・ アメリカ インフラ成績表 他
  
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